この記事では高校の入学金が支払えないときの対処法についてご紹介します。
お子様の大事な将来がかかっているのが高校受験です。同時に、大きなお金がかかるものでもあります。特に私立高校を受験される場合は併願をするため、負担はさらに大きくなるのではないでしょうか。
高校の入学金が支払えないと合格取り消しとなってしまいます。この記事で紹介する方法を使って、大事なお子様の進路を支えてあげましょう。
- 高校入学金の費用は公立高校で5,500円もしくは5,650円、私立高校で平均16万3,362円
- 高校入学金は合格後、すぐに支払う必要がある
- 高校入学金が払えないときは分納か延納を相談
- 高校入学金の支払い方法は口座振込・ペイジー・コンビニ・クレカの4種類
- 高校入学金には教育一般貸付など国の制度を活用できる
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高校入学時に必要なお金の平均
高校の入学する際には入学金がかかりますし、授業を受けるので授業料も当然かかりません。またそれ以外にも制服代や体操服代、教材費なども支払う必要があります。
これらの費用は公立か私立かによって異なります。特に公立高校の入学費は全国一律ですが、私立高校では学校によって金額が大きく異なります。
ここでは、公立高校の入学金、私立高校の入学金、入学金以外にかかる費用、についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
公立高校の入学金の平均
公立高校の入学にかかる費用は5,500円もしくは5,650円です。お住まいの都道府県によってどちらかの金額になります。
私立高校の入学金の平均
私立高校の入学にかかる費用は、平均16万3,362円です。これは文部科学省が行った「令和元年度(2019年度)私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」という報告書に基づくデータです。
あくまで平均ですので、学校や地域によって費用は異なります。例えば東京都の私立高校であれば入学にかかる費用は平均で25万1,637円と、全国平均と大きく差が開きます。また東京都の中でも、最も費用な高額な高校は50万円、最も費用が低額な高校は10万円と違いがあります。
私立高校は入学金の支払い期限が早いところも多く、事前に入学金を収める必要がある場合もあります。しかし、一度支払った入学金は入学を辞退しても戻ってきません。
入学金以外にも制服・体操服代・教材費などが必要
高校に入学するには入学金以外にも様々な費用がかかります。
- 制服や体操服代
- 教材費
- 授業料
- 修学旅行費
他にも費用がかかるものはありますが、ここではいくつか代表的なものを記載してみました。以下で紹介する費用はいずれも平均的な価格ですので、学校によって振れ幅はあるでしょう。
シャツなどを合わせると制服代は男女ともに約7万円、体操服代は約6,000円、教科書代は1年間で2万円です。
授業料は公立と私立で大きく異なり、公立では約2万6000円、私立では約23万円かかります。
修学旅行費は公立高校で約3万5,000円、私立高校で約5万4,000円がかかります。修学旅行でヨーロッパやアメリカなど海外に行く場合などは、さらに高い費用がかかるでしょう。
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高校入学金はいつ・どうやって払う?時期と支払い方法
高校の入学金の目安が分かったところで、ここからは入学金を支払う時期や支払方法について見ていきます。
入学金を支払う時期は合格発表が終わった直後です。私立高校の場合、他校の合格発表を待つ余裕はありません。入学しなくても入学金は戻ってきませんが、合格を取り消したくないのであれば必ず支払いましょう。
また、支払い方法は口座振込・ペイジー・コンビニエンスストア・クレジットカードの4種類に対応しています。クレジットカードに対応しているのは私立高校だけですが、ポイントが付くのでお得です。
高校入学金の支払時期
入学金を支払うタイミングは基本的に合格発表が出た直後です。そのタイミングで入学手続きを行いますので、その手続きと同時に支払うことになります。
公立高校を単願する場合は特に問題ありません。しかし、公立高校と私立高校を一緒に受けたり、複数の私立高校を受ける場合、入学しない高校にも念のために入学金を支払わなければなりません。私立高校の合格発表は公立高校より早いですし、私立高校の間でも試験日程は異なります。合格後すぐに入学手続きを行わないと合格は取り消しされてしまいます。そのため、本命の高校の落ちた場合に備えて滑り止め校にも入学金を支払う必要があるのです。
また、入学金が返還されないことがほとんどです。そのためお金に余裕を持たせておいたり、事前に受験スケジュールを計画しておくことが大事になるでしょう。
高校入学金の支払方法
高校の入学金の支払い方法は以下のように、4通りあります。
- 銀行振込
- ペイジー(Pay-easy)
- コンビニエンスストア
- クレジットカード
それぞれの支払い方法について説明していきます。
銀行振込は、高校が指定した金融機関の口座に入学金を入金する方法です。入学金以外にも授業料などの支払いでも利用されます。一番オーソドックスな方法ではありますが、金融機関など条件によっては振込手数料がかかる可能性があります。
ペイジー(Pay-easy)は公共料金や税金などをインターネットバンキングやATMを利用して支払える手段です。入学金の支払いにも対応しており、即時に支払い情報が反映されることが特徴です。
コンビニエンスストアのレジでも支払いが可能です。学校から配布される納付書をコンビニエンスストアのレジに持参して支払います。支払い金額が30万円以内であることと、現金払いが条件です。ただしセブンイレブンではナナコを利用した支払いにも対応しています。
クレジットカードでも入学金の支払いは出来ますが、私立高校に限ります。残念ながら公立高校では対応していないのが現状です。クレジットカード払いの場合、支払いと同時にクレジットカードのポイントも溜まりますので、他の支払い方法よりお得だと言えます。
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高校入学金が払えない時にはどうしたらいい?分納や延納ができないか相談する
ほとんどの高校では、入学金や授業料などの支払いの分納・延納が認められています。中には支払いが免除されるケースもあります。
どうしても入学金が用意できないという場合であれば、高校に相談してみましょう。高校以外にも教育委員会などの専門家に助けを借りるのも良いでしょう。
また教育支援金を給付している制度も存在します。国が提供する教育ローンや教育支援金制度、各地方自治体が提供している助成金制度もあります。これらの制度を活用することで入学金や授業料を賄うことが出来るはずです。ただし、所得上限など制限もありますので注意してください。
高校入学金が払えない時に使える国の制度を使った対処方法
国や自治体の制度を活用すれば、進学に必要な資金を確保出来ます。
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付
- 高校生等奨学給付金
- 高等学校等就学支援金制度
- 生活福祉資金貸付制度
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金
- 入学資金融資あっせん制度
上記のうち高校生等奨学給付金と高等学校等就学支援金制度は入学してから給付を受けられるので入学金には間に合いません。他の制度であれば入学金に利用できますし、高校生等奨学給付金と高等学校等就学支援金制度も入学後の修学資金を支えてくれます。
日本政策金融公庫の教育一般貸付
日本政策金融公庫が提供している教育一般貸付では、中学校を卒業したお子様の教育に対する資金提供を行っています。
資金用途は教育だけでなく、関連するものにも使えます。入学金・授業料・受験費用はもちろんのこと、定期券代・在学のためのアパート代・パソコンの購入代などにも使えます。また、高校だけでなく高専・短大・大学・大学院・専門学校・予備校など幅広い種類の学校に対応しています。国内だけでなく海外の学校でも問題ありません。
融資限度額は基本的に1人につき450万円です。借入金利は固定金利1.80%で、返済期間は最長18年間です。お金のかかる在学期間中は利息のみの返済でも大丈夫ですし、母子家庭・父子家庭・交通遺児家族といった事情のある家庭や世帯年収200万円以下の場合などは、金利の低減など優遇制度も有しています。
事前に教育一般貸付で借入を行っておけば、入学金に間に合わせることが出来ます。
高校生等奨学給付金
高校生等奨学給付金とは、文部科学省が提供する奨学金制度です。高校に通う学生の教育機会を支援することを目的としています。
給付金の利用用途は授業料以外の教育費に限定されていますが、返済は不要です。教科書代・教材代・通学用品代・課外活動費・生徒会費・PTA費・修学旅行費などの利用できます。
給付金額は世帯の状態によって異なります。生活保護受給世帯であれば、国立・公立高校に通う者に対しては年額3万2,300円、私立高校に通う者に対しては年額5万26,00円です。非課税世帯であれば、国立・公立高校に通う者に対しては年額11万4,100円、私立高校に通う者に対しては年額13万46,00円です。他にも条件がありますので、気になる方は調べてみて下さい。
高校生等奨学給付金はそもそも高校に入学していることが前提なので、入学金の支払いに間に合わせることは出来ないことにも注意してください。あくまでも入学後の資金援助を目的とした給付金制度なのです。
高等学校等就学支援金制度
高等学校等就学支援金制度も文部科学省が提供しており、高等学校等に在学している学生を対象に就学支援金を給付してくれます。
対象世帯は国公私立問わず、いくつかの条件を満たす世帯です。例えば、両親どちらかが働き、高校生と中学生の子供がいる場合、年収約910万円未満が必要条件となっています。
支給額はそれぞれ異なりますので、一部ご紹介します。公立の全日制高等学校(定額授業料)の場合、支給期間は36か月(3年)で支給限度額は月9,900円です。私立の全日制高校の場合、そこに月23,100円が加算されます。授業料が支給額未満の場合は、授業料分しか支給されません。
このように高等学校等就学支援金制度は在学中に活用です。非常に便利ですが、入学金には間に合いません。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者、障碍者など生活を営む上で経済的な困難が生じている方を支えるための支援制度です。
全国の都道府県の社会福祉議会が提供しており、資金の貸付けと必要に応じた相談やその他支援を行っています。
対象は低所得者・高齢者・障碍者世帯です。
支援資金は総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4種類がありますが、教育支援資金を活用することで入学金に充てることが出来ます。
教育支援資金には、教育支援費・就学支度費の支援金があり、このうち就学支度費を活用することで入学費を賄えます。
その他のもの見てみると、総合支援資金は生活費などを、福祉資金は介護など福祉にかかる資金を、不動産担保型生活資金は居住用住居を担保に生活資金を、それぞれ貸し付けてくれます。
母子父子寡婦福祉資金貸付金
母子家庭がお金を借りられる「母子父子寡婦福祉資金貸付金」とは、0歳未満の児童を育てている配偶者のいない母親、父親、もしくは寡婦等に貸付けを行う制度です。厚生労働省が管轄しています。
貸付金の種類は生様々ありますが、そのうち就学支度資金を利用することで入学金に充てるとが出来ます。これは就学または就業に必要な資金として給付されるものです。
限度額は国公立高校の場合28万2,000円、私立高校の場合42万円です。高校以外にも小学校・中学校・大学・短大などにも適用されます。利率は無利子で、返済期限は20年以内です。
対象となる世帯は、母子家庭・父子家庭・父母のいない児童・寡婦が扶養する子のいずれかです。
利用を検討している方は最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口に問い合わせて下さい。
自治体の入学資金融資あっせん制度
入学資金融資あっせん制度とは、入学資金が困難な人に対して、各自治体が行っている融資制度です。
自治体によって細かい条件は異なります。例えば江戸川区では、私立高校もしくは外国の高校に入学する際に必要な資金を低金利で借入できます。江戸川区が区内の信用金庫をあっせんすることで、低金利での借入を実現しています。
融資額は国内の私立高校進学の場合は10万円以上100万円以内、海外の高校進学の場合は10万円以上200万円以内です。利率は1.7%ですが、このうち借入本人が負担する分は0.5%です。
また返済期間は6年以内で、資金の使用用途は入学金や授業料、教科書代、通学費など学業に関わることであれば様々に使えます。
以上は江戸川区の例になりますが、お住まいの自治体でも入学資金融資あっせん制度があるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。
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高校入学金が払えなくて借りる方法
高校入学金を借りる方法は3つあります。
- 銀行の教育ローン
- 消費者金融カードローン
- 親(祖父母)や親戚に借りる
銀行の教育ローンで借りる
教育ローンとは、子供の教育費や学費のためのローンです。似たものとして奨学金もありますが、奨学金は入学後にお金を受け取るため入学金には間に合いません。事前にお金を用意して置きたい場合は教育ローンの方が良いでしょう。(必ず借りれる教育ローンはある?どこがいい?審査が甘いローンの有無や学生本人が借りられる方法や国の支援制度等解説)
教育ローンを提供している銀行は三菱UFJ銀行などの都市銀行、横浜銀行なども地方銀行、楽天銀行などのネット銀行があります。そのほかにもJAや信用金庫、日本政策金融公庫、ろうきんといった政府系の金融機関も提供しています。
子供が小学校から高校を卒業するまで12年、大学に進学すれば卒業まで15年がかかります。そのため借入期間や返済期間は長く設定されています。
また金利は金融機関ごとに異なりますが、おおむね2~3%の範囲です。日本政策金融公庫は最も金利が低く、1.71%で固定金利となっています。
消費者金融のカードローンで借りる
入学金の支払いまで時間がないときは、消費者金融カードローンをおすすめします。有名なものとして、プロミスやレイク、アコムといった大手消費者金融のものが挙げられます。
消費者金融カードローンの特徴は最短即日融資が受けられる点です。初めて利用する場合でも融資に積極的ですので、比較的審査が通りやすいです。
借入金利は18%が相場となっており、銀行の教育ローンと比べると高いかもしれません。しかし初回利用者には無利息期間が設けられているため、借りてすぐに返済すれば利息は発生しません。また借入金額を小額にすれば、利息負担は少なく出来ます。
資金用途も事業資金やギャンブル以外であれば何にでも使えます。入学金が間に合いそうにない人は、気軽に審査を受けてみてはいかがでしょうか。
親(祖父母)や親戚にお金を借りる
また親や祖父母、親戚に借りるという方法もおすすめです。
血縁関係がある人から借りれば、おそらく利息はかからないでしょうし、返済期間も長く見てくれるはずです。中には返済不要という場合もあるでしょう。
特に親であれば孫、祖父母であればひ孫にあたるお子様に関わることとなれば、助けてくれるのが普通ではないでしょうか。大事な将来がかかっているタイミングでもありますし、恥ずかしがらずに相談してみましょう。(200万円借りたい)
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入学費用が払えない事態になる前にできる事
高校進学に備えて必要なお金は前もって準備をしておきましょう。入学後には授業料や定期代、修学旅行積立金などがかかりますし、そもそも入学金が払えないと入学できません。
学資保険を利用すれば長期的な計画でお金を準備できます。また入学金の支払いタイミングは3月頃です。スケジュール感を持って、年末ごろから用意しておくのがよいでしょう。
学資保険で計画的に準備をしておく
学資保険とは子供の学費を貯めるための保険です。生命保険会社が販売しています。契約時に定めた保険料を払い込み、子供が一定の年齢に達したタイミングで給付金を受け取れます。
学資保険には貯蓄型と保証型の2種類があり、ニーズに合わせて選べます。
貯蓄型は支払った保険料よりも満期金が高くなりますので、教育資金を少しでも多く貯めたい人におすすめです。
保証型は親や子供に万が一のこと(死亡、病気、ケガなど)があった際に保険金を受け取ることが出来ます。医療保障や死亡保障、医療保険などが付随していることが特徴です。
学資保険は加入するタイミングが早いほど受取金額は大きくなりますので、検討されている方はなるべく早いほうがいいでしょう。
なお、学資保険でお金を借りることも可能です。
解約返戻金の7~8割ほどのお金を借りることができますが、返済は必ず行いましょう。
入学費用の準備は年末あたりから検討をしておく
入学費用の準備は年末あたりから開始しましょう。
高校受験は1月上旬から3月上旬にかけて行われます。平均的な日程は私立高校は1月上旬~2月中旬、公立高校は2月上旬~3月上旬となっています。その後、3月までに合格発表があり、すぐに入学手続きを行います。
このように年が明けると早いペースでスケジュールが進んでいきますので、入学費用は年を越す前に用意した方が余裕があります。特に私立高校を受験する方は期間が短いですので気を付けて下さい。
高校入学金が払えないと高校進学ができなくなる
高校の入学金が支払えない場合、合格が取り消されてしまいます。期日までに支払いを完了させることが大事です。
入学金は基本的に一括払いです。特に私立高校を受験する場合はいくつも併願すると思いますが、滑り止めとして確保しておくためにも合格したすべての高校に入学金を支払わなければなりません。
中には支払期日の延長に応じてくれる高校もあるでしょうが、どの高校でも対応してくれるわけではありません。そのため入学金はきちんと用意しておきましょう。
入学してからの授業料や定期代、修学旅行積立金などにもお金がかかる
また入学金を払い無事入学できても、授業料や定期代、修学旅行積立費などさらに多くのお金が必要になります。
公立高校と私立高校で費用は大きく異なりますが、一般的に公立高校では授業料2万6,000円、修学旅行積立金3万5,000円、私立高校では授業料23万円、修学旅行積立金5万4,000円がかかると言われています。さらにお住まいの地域によっては定期代もかかります。(修学旅行の費用が払えないとどうなる?お金がない時の対処法や支払い方法等を解説)
このように高校には入学するだけでなく、入学してからも高い費用がかかります。
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この記事の監修者 | 山口みき |
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自己紹介 | 金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。 |
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