自動車税の分割はできる？手続き方法や分割を断られた事例・滞納時のリスクや対処方法等解説

自動車を所有している人は避けることが出来ない税金が自動車税です。仮に自動車に一切乗っていなくても、所有しているだけで支払い義務が生じてしまいます。

自動車税の金額は自動車によって異なります。一番安いもので1万800円、高いもので11万1000円もの金額を請求されます。

このように自動車税は決して安い金額ではありません。もし支払えないとどのようなペナルティが待っているのでしょうか。端的に言うと「延滞金の発生」・「完済証明書が発行されない」・「財産の差押え」の3つが待ち受けています。

自動車税の滞納は長引けば長引くだけ、状況は悪くなっていきます。なるべくなら分割払いに返納して、早い段階で支払ってしまいたいものです。

しかし、必ずしも誰しもが分割払いに出来るわけでもありません。この記事の最後ではそんな方に向けて3つの対処方法を紹介しています。一緒に自動車税の分割払いについて見ていきましょう。

自動車税が一括で支払えない時は分割支払いもできる

自動車にかかる税金は安くはありません。基本的に一括で支払うことが求められるため、高額になりがちです。しかし、実は自動車税は分割でも支払いも認められているのです。

この事実を知らず、お金に余裕がないからと支払いを先延ばししていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、自動車税も他の税金と同様に、支払いを滞納するのは良いことではありません。

手元に納税通知書が届いたら、お住まいの自治体に連絡をして分割払いをお願いしてみましょう。全てのケースにおいて受け入れられるわけではありませんが、試す価値はあります。

では次に、実際に分割払いを行うための方法について見ていきましょう。

自動車税の分割する方法

自動車税の分割払いをするまで、3つのステップが存在します。

以上いずれのステップも必要不可欠なものですが、特に2番目の「理由」は重要です。これがなければ、絶対に分割払いには対応してもらえません。分割払いは「本当にお金に余裕がない人」に向けられた制度です。このことを十分に意識しておきましょう。

まずは最寄りの税務署へ相談し手続きをする

自動車税の分割払いを希望していても、ただ待っているだけでは何も始まりません。分割払いを希望する旨をきちんと伝える必要があります。

自動車税は「税金」ですので、もちろん「税務署」によって管理されています。お住まいの自治体にある税務署に連絡をして、分割払いの手続きを進めてください。

もし連絡せずに放置すると、故意に「滞納」していると判断されてしまう恐れがあります。税務署というと怖いイメージがあるかもしれませんが、心配ありません。分割払いは公的に認められた手続きですので安心して連絡しましょう。

分割支払いしかできない理由が必要

ですが連絡すれば、誰でも簡単に分割払いを認めてもらえるというわけではありません。それ相応の理由が必要となります。

ではどのような理由なら適切だと判断されるのでしょうか。

以上のように、そもそも仕事がなかったり、育児や病気によって働くことができない、といった理由によって収入が足りず、自動車税を一括で支払えないという事情が必要です。

単に、「一括払いだと負担が大きいから分割払いにしてほしい」という程度の理由だと却下されてしまうでしょう。

また、納付期限が迫っていて分割で払うだけの日数が足りないときには、上記で挙げたような理由に該当する場合でも認められないことがあります。期限には十分に気を付けましょう。

クレジット払いができるならクレカ支払いで分割・リボ払いにする

実は自動車税はクレジットカードで分割払いにすることが出来るのです。行政がクレジットカードに対応しているというのは少々意外なことではないでしょうか。

しかし、全ての自治体がクレジットカードに対応しているわけではありません。自治体によって対応に差はあります。

具体例を出すと、「東京都」・「大阪府」・「三重県」・「青森県」・「沖縄県」などがクレジットカードでの納付に対応しています。特に東京都・大阪府・三重県はインターネット上での納付にも対応しているので大変便利です。

以上はごく一部の例です。お住まいの自治体がどうなっているか、事前に調べておくと良いでしょう。

コンビニ払いや振り込みと違って、クレジットカードにはポイントが存在します。自動車税は安い出費ではありませんので、ポイントの観点からもお得になるためおすすめです。

何回まで分割できる？

クレジットカードで支払う場合、分割回数に関しては一概に述べることは出来ません。利用するクレジットカードの元々の回数や、各自治体の規定によって異なります。

必ずしもそうだとは言えませんが、目安として、最低2回払い、最大12回払い程度をイメージしておくと良いかもしれません。

また自治体によってはリボ払いにも対応している場合があります。リボ払いなら月々の返済額を一定勝つ少額に抑えられるため、資金余裕のない場合にはおすすめの支払い方法です。

分割払いは一回ごとの返済負担が少なるため大変便利な機能ですが、その反面として手数料がかかる点には気を付けましょう。

自動車税を分割した時のリスク

自動車税を分割することはメリットだけではありません。以下のようにリスク(デメリット)も存在しています。

クレジットカードやカードローンの返済に遅れた場合と同様に、自動車税にも延滞金はかかります。利率としては特別高いものではありません。しかし、本来支払わなくても良いものですので、支払い回数はなるべく抑えたいものです。

納税証明書は車検を受けるために欠かせません。自動車を安全に運転するためにも、法律違反で捕まらないためにも、車検の時期に被らないように分割払いを行う必要があります。

延滞金がかかるので支払い額が増える

自動車税を分割払いにすると延滞金がかかってしまいますので注意しましょう。

なぜ延滞金がかかるのでしょうか。分割払いだと本来の納付期限を過ぎて支払うことになります。この納付期限を過ぎたことに対する一種のペナルティとして延滞金が課せられるのです。

ですが延滞金が免除されるケースもあります。本来の納付期限から数か月以内に完済出来る場合は延滞金がさほどの額にはならないため、免除してもらえます。逆にこの期間を過ぎると免除を受けることは出来ません。

では実際に延滞金がいくらかかるのか、具体例を伴って計算してみましょう。

自動車税の延滞金の計算方法

延滞金の利率は各自治体によってそれぞれ異なります。ここでは東京都の延滞金を参考にして見ていきます。

東京都では延滞金の利率は最初の納付期限からの経過日数に応じて分けられています。ちなみに納付期限は毎年5月31日と設定されています。

ですので最初の一カ月目は上段年率2.4％で計算し、それより後は下段年率8.7％で計算すればよいわけです。

表を見ると分かるように、納付期限から1ヶ月を過ぎると延滞金の利率は一気に跳ね上がります。出来ることなら支払い回数を減らして延滞金の負担を減らしたいものです。

納税証明書の発行時期が遅れる

納税証明書は自動車税を完済しない限り発行されません。そのため、完済する時期が車検の時期を過ぎることが予想される場合には気を付ける必要があります。

車検を受けるためには納税証明書が必要不可欠だからです。仮に車検切れのままで自動車を運転すると捕まってしまいます。また事故を起こしても保証を一切受けられない可能性もあります。

分割回数を選択する前に、自身の車検の時期がいつだったかをきちんと把握し、時期がかぶらないように配慮することが大事になります。

自動車税の分割を断られた事例

自動車税の分割払いが断られてしまうのには、2つの原因が考えられます。

これらの条件に合致してしまうと絶対に分割払いをすることは出来ません。

逆に言うと、以上2つの理由に当てはまらなければ、基本的には分割払いには対応してもらえるということです。

明確な理由がない場合

この記事の前半部分でご紹介しましたが、自動車税の分割払いの対象者は定められています。

対象となるのは、「明確な理由によって働けず、金銭的に困難な状況にある」人々です。

つまり、失業・求職中の人、育児・出産で仕事を離れている人、病気や療養で働くことが出来ない人、です。彼らは働きたくても働くことが出来ず、その結果自動車税を支払うだけの金銭的な余裕がないのです。(休職中の社会保険料が払えないとどうなる？)

場合によっては理由の証拠として何かしらの書類を提出する必要がある場合もあります。失業中や求職中の人であればハローワークでの書類が証明に使えるでしょうし、病気や療養中の人は病院の診断書などが利用できるでしょう。もし必要になった場合にすぐに出せるように、事前に準備しておくと良いかもしれません。

軽自動車の分割支払いはできない

自動車税は車の種類によって支払うべき料金が異なっています。その中でも軽自動車は分割払いが出来ません。

なぜかというと、軽自動車の自動車税は1万円程度と非常に安いからです。この程度の金額ならわざわざ分割払いにするまでもなく支払うことが出来ると考えられているのです。

参考までに、他の自動車の自動車税の金額を見てみましょう。

自動車税を分割にもせず滞納した時のリスク

自動車を持つ人は自動車税を必ず支払わなければなりません。原則的に例外はありません。もしお金に余裕がないからと言って分割払いへの変更手続きもせずに滞納を続けてしまうと、どのようなリスクが生じてしまうのでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのは「財産の差押え」と「車検が出来ない」ということでしょう。差押えがされるとお金がなくなってしまいますので生活が苦しくなるのは必至ですし、車検が行えないと自動車に乗ることが出来なくなります。

どちらにしても、非常に厳しいペナルティが課せられると考えてよいでしょう。

財産、給与が差し押さえされる

自動車税は通常の税金と同じ扱いですので、滞納を続ければ当然差押えの対象となります。(税金滞納で差し押さえられて生活ができない時の対処方法)

差押えが実行されるまでには4つの段階があります。

実際に差押えが実行されると、その対象になるのは預金口座や宝石類など金銭的価値のあるものです。もちろん自動車もその対象になります。

銀行口座が強制的に凍結されてしまいますので、差押えから逃れることは出来ないでしょう。

このように問題の解決を先に先に延ばしても、自体は悪化していく一方です。早いうちに対処した方が延滞金の金額も低く済みます。早いうちに支払ってしまうべきでしょう。

車検ができず、売却や廃車もできない

車検を受けるためには自動車税の納税証明書は絶対に必要です。これがないと車検を受けに行っても受け付けてもらえません。車検を受けていない状態で車を運転していることが発覚すると厳しく罰せられます。

また、自動車を売却する際にも廃車にする際にも納税証明書が必要なことはご存じでしょうか。自動車税を支払っていないだけで、自動車が不要になった際にその処分すらできないのです。

自動車税の金額は決して安くはありませんが、かといって高すぎるわけでもありません。一万円～十万円程度あれば、すべて支払えてしまうでしょう。自動車税を支払わないことによって生じるリスクを考えれば、この程度の金額は支払ってしまった方が得策だと言えます。

自動車税を分割でも納付できない時の対処方法

自動車税を延滞するのはあまり望ましい選択肢ではありません。分割払いでも支払える見通しが立たないのであれば、以下で紹介する3つの対象方法を試してみてください。

借金をするというと、悪いイメージを持つ方がいるかもしれません。しかし自動車税を払えずに滞納を続けるより、お金を借りてひとまず支払ってしまう方が賢い選択だと言えるでしょう。

車を担保にお金を借りる方法も使えなくはないですが、滞納すると即手放すことになります。

4月までに自動車を売却する

自動車税を支払えるだけの金銭的余裕がないのであれば、4月までに所有する自動車を売却してしまうことをおすすめします。

なぜかというと、自動車税が決定されるのは毎年4月1日だからです。この4月1日時点で自動車を保有している人に対して自動車税が課される決まりになっているのです。

一つ注意点があります。それは必ず4月1日になる前に売却するということです。もし4月中に売却することが出来たとしても、自動車税自体は1年分で課されてしまいます。日割りで差し引いてもらうことは出来ません。

無駄な出費をしないためにも、「必ず」4月1日になる前に売却してください。

親にお金を借りて支払う

自動車税を払う余裕はないが、自動車を手放すことは出来ないというケースもあるでしょう。地方に住んでいる場合は自動車が生命線になっていることも多いと思います。

そのような場合、自動車税を払わないわけにはいきませんので、誰かにお金を借りましょう。まずは「親」にお金を借りる相談をするのが良いかと思います。

金額的にも数万円程度で済むかと思いますので、比較的簡単に貸してくれるのではないでしょうか。自動車税の滞納が原因で自分の子供が困難な状況に追い込まれるのを黙って見過ごす親はいないと思います。

銀行や消費者金融のカードローンでお金を借りて支払う

親に相談しづらい、もしくは相談したが断られてしまったという場合には「銀行や消費者金融のカードローン」でお金を借りるのが良いでしょう。

カードローンを利用するメリットは3あります。

カードローンで借りたお金は何に扱っても問題ありません(ギャンブル/事業目的は除きますが)。ですので、当然自動車税の支払いに充当することも可能です。

特に無利息期間は大きな強みでしょう。初めてカードローンを利用するときから30日間や60日間といった期間は利息が一切かかりません。その期間の間に自動車税を支払ってしまい、期間が終わるまでに返済を済ませてしまえば利息負担は一切生じずに完済できます。

納付期限まであまり時間的余裕がない場合でも即日融資がありますので、支払いを間に合わせることが出来ます。銀行系カードローンですと即日融資には対応していないケースもありますが、消費者金融系カードローンなら対応しているケースが多いです。

実際に借入が出来るかは審査を受けた結果によりますが、申込や審査自体は無料で出来ますのでまずはお気軽に申し込んでみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者	山口みき
自己紹介	金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。
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