クレジットカードやカードローンの審査には、自動審査が取り入れられています。
自動審査は審査結果にやきもきする必要がない一方で、瞬殺される可能性もあります。
自動審査が迅速に審査結果を出せるのは、スコアリング方式を採用しているためです。
申込者を点数で判断することによって、担当者の感情に左右されることなく審査結果を導き出します。
しかし、精度は日進月歩しているとはいえ不完全であるため、人間が自動審査の内容をチェックすることによって審査を完結させています。
審査を通過するためにはスコアを稼ぐ必要がありますが、スコアの公表は審査基準の公表と同義であるため、どの貸金業者も公表していません。
一般的に、信用度の高さがそのままスコアにつながるとされていますが、貸金業者によって重視する審査項目が異なるため、対策がしにくいのが難点です。
- 自動審査は迅速かつ公平な審査が可能
- 自動審査はいかにスコアを稼ぐかがカギ
- スコアリング審査には申込者の事情は反映されにくい
- 自動審査は申込者と貸金業者の両方にメリットがある
- 自動審査だけで審査は終わらない
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自動審査とは契約前の審査を自動で行うシステムのこと
自動審査システムは貸金業者や保険業などの業界で導入されています。
自動審査の導入によって審査の効率化が図られ、審査速度の向上や貸し倒れリスクの減少などにつながっています。
そのため、すぐにお金が必要なのに審査結果がなかなか出ずに、不安に思う必要はありません。
しかし、自動審査はあくまでも仮審査や事前審査という扱いのため、最終的な判断は本審査で人間が下しています。
せっかく自動審査を通過したのに、本審査で落とされることがないように、申し込みは正確な情報を申告しなければなりません。
なお、審査基準に満たないというだけで瞬殺される可能性や、AI技術の進歩によって改善されているとはいえ、属性情報などの客観的な情報だけでしか判断されないという問題もあります。
自動審査システムはどこで使われている?
自動審査システムとは、あらかじめ設定された基準に基づき、対象データを自動的に判別するシステムのことです。
AI技術の発展にともなって導入する業界や事例が増加しており、今後さらに増加していくことが予想されます。
金融業界では、クレジットカードやカードローンなどの審査に導入されています。(お金を借りる時の審査はどこまで見られる?)
クレジットカードやカードローンの審査が早くなった背景には、この自動審査システムの導入があります。
自動審査によって申込者をふるいにかけることができ、審査を通過した申込者のみ人間が最終的に判断することで審査時間を短縮しています。
また、申し込み内容を申し込み時点でチェックすることによって、入力不備や確認作業などの減少にもつながっています。
ほかにも、保険業界や就職活動、特許出願などの審査に時間を要するものや、判断に迷うようなものに導入されています。
活用分野 | 備考 |
---|---|
クレジットカード | 入会の審査及び申し込み内容チェック |
カードローン・キャッシング | 融資及び増額の審査、申し込み内容チェック |
保険金の申請 | 保険給付の審査及び書類チェック |
就職活動 | 応募書類のチェック及び分析 |
特許出願申請 | 願書分析及び通知書作成支援 |
医療診断・製品品質管理、他 | AIを活用した医療診断、製品品質管理、他 |
自動審査に通過しても本審査に通るとは限らない
自動審査は、審査基準を満たしているかどうかに特化した審査であり、融資の可否及び融資可能額の結果が出ます。
そのため、自動審査を通過すれば利用可能となるケースがほとんどですが、自動審査は仮審査のようなものであり、人間が行う本審査もあります。(仮審査に通れば本審査にも通る?)
本審査の結果、利用できない場合や融資可能額が減額となる場合もあります。
本審査では、主に申し込み内容と必要書類の整合性の確認や在籍確認が行われるため、申し込み内容と本人確認資料が一致しない場合や、在籍確認がとれないと審査が通らなくなります。(お金を借りる時に審査に通らない理由)
特に、収入証明書が必要な場合、申告年収との違いは審査に大きく影響します。
そのため、必要書類を確認しながら申し込みをしたり、在籍確認がとれる状態を確保したりすることが重要になります。(お金を借りる時に必要な書類)
自動審査はスピード審査なので瞬殺で落ちることもある
自動審査はあらかじめ設定された基準に基づき、申し込み内容を数値化して審査の可否を判断しています。
そのため、申し込んでからものの数分で審査結果を出すことができ、申込者に対して通知することを含めても10分ほどで完了します。
ただし、自動審査を通過したときは本審査へと進むため、審査結果が出るまでにはもうしばらく時間がかかります。
10分ほどで審査結果が出る場合は審査に通らなかったときです。
このように、短時間で審査結果が出ることを「瞬殺」と言います。
人間の処理能力では、毎日多くの申し込みを短時間で結果まで出すことはできません。
しかし、自動審査はコンピュータによって短時間で審査の可否を出すことができるため、瞬殺される可能性があります。
自動審査を導入している消費者金融
自動審査を導入している消費者金融と審査時間は次のとおりです。
消費者金融 | プロミス | アイフル | アコム | SMBCモビット | レイク |
---|---|---|---|---|---|
自動審査時間 | なし | なし | なし | 10秒簡易審査 | 最短15秒 |
申込から融資実行までの時間 | 最短3分 | 最短18分 | 最短20分 | 最短15分 | 最短25分 |
自動審査を導入している消費者金融には、SMBCモビット、レイクがあり、その中でも自動審査結果が最短で出るのはSMBCモビットです。
しかし、SMBCモビットは融資実行までの時間が最短15分。
自動審査結果を早く知って、なおかつ融資までがスピーディーなのはレイクです。
自動審査は導入されていないものの、融資実行までを最速にしたい場合は、アイフルやプロミスに申し込むと最短3分で融資を受けることができます。
年々精度が向上している
自動審査システムは融資の可否などを判断するだけではなく、申込者の情報の収集や蓄積も行っています。
また、自動審査を導入している大手の消費者金融などは顧客数が多く、どのような人物が返済を怠らないか、どうような属性情報が信用に値するかなどの、いわゆるビッグデータを保有しています。
このような情報をもとにAIが情報を分析しているため、自動審査システムは年々精度が向上しているのは事実ですが、まだ完全ではありません。
しかし、人間であれば個々の事情を考慮することもできますが、客観的にしか判断できないAIには対応することができず、審査結果を誤ってしまうこともあります。
自動審査だけで結果を出さずに、人間が本審査を行っているのにはこういった理由もあります。
自動審査のメリット
自動審査のメリットは次の2点に集約されます。
- 審査時間の高速化
- 公平な審査
審査結果が担当者によって異なるようなことは本来あってはならないことです。
しかし、人間には感情があるため、さまざまな情報によって左右されてしまい、審査結果が公平にならない可能性はゼロではありません。
自動審査は、審査基準となる項目を数値化することによって、短時間で客観的に判断することができる仕組みとなっています。
どの項目を重視するかは貸金業者によって異なりますが、年収や勤続年数などの返済能力につながる情報は、より大きな点数配分がされていることが多いです。
また、申し込み内容のチェックにも一役買っており、誤った申し込みによる審査時間の遅延の減少の効果もあります。
審査にかかる時間が短い
自動審査システムが審査時間を短縮できている理由は次の2つです。
- 入力制限
- スコアリング方式
申し込みを対人で行う場合、1つ1つ確認ができるため、誤った情報で申し込みを受け付けることはほとんどありませんが、どうしても時間がかかります。
自動審査は申し込み時間の短縮を図るため、WEBやアプリなどで申し込みすることによって、入力内容を間違ってしまう可能性があります。
そのため、申込みフォームに一定の入力制限が施されており、誤入力や入力漏れを防ぐことによって確認作業を効率化しています。
また、スコアリング方式によって申し込み内容が数値に変換されて、基準点に到達しているかどうかで融資の可否を判断し、融資可能額を決定しているため、審査時間を短縮することが可能です。
数値化することで公平な審査ができる
審査基準が体系化されていても、人間が審査を行うと主観が入ってしまい、担当者によって審査結果にばらつきが出てしまいます。
例えば、申込者の勤続年数が1年だった場合、長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれであり、ましてやほかの情報も加味するとさらに複雑化します。
そこで、自動審査は申込者を客観的に判断することができるように、申込者を一個人ではなく数値で捉えています。
また、勤続年数1年は10点、3年は20点といったように、審査基準を明確化することもできるため、審査結果にばらつきが出ることもありません。
ただし、自動審査の基準は時期によって更新されていることもあるため、審査結果が変わる可能性もあります。
自動審査のデメリット
自動審査のデメリットして考えられるのは次の2つです。
- 審査基準が不透明
- 個別対応がない
自動審査は、スコアリング方式によって迅速かつ公平な審査ができる一方で、何を根拠に判断しているかが見えないという弊害があります。
そのため、審査をせずに断っているのではないかといった疑念も生まれてしまいます。
しかし、現実には審査をしていないといったことはなく、何を重視しているかが見えてきづらいため、審査対策を講じにくいというだけです。
また、客観的に判断してしまうがゆえに、申込者の事情や背景を考慮に入れないという欠点もあります。
自分の状況に応じた審査をしてほしいときは、時間はかかってしまうものの、店頭での対面申し込みを選択するのも1つの方法です。
独自審査のため詳細や基準がわかりづらい
本来、審査基準は公表されているものではありませんが、対人で申し込みをする場合、詳細を聞かれることもあるため、審査で重視される項目を推測することは可能です。
しかし、自動審査は与えられた情報をもとに客観的な判断を行っているに過ぎないため、審査が通らなかったときに何が引っかかったのか見当がつきません。
審査基準が推測できなければ対策を講じることもできないため、立て続けに審査に通らないという事態にもなりかねません。
具体的な対応ができない以上、一般的に審査に影響すると言われている年収や勤続年数、信用情報などの基本的なことを気をつけることになります。
なお、申し込み条件は公表されているため、必ず申し込み条件をクリアしているか事前に確認してから申し込むことを忘れてはなりません。
個人別の事情や状況は考慮してもらえない
自動審査は基本的に申し込み内容しか見ないため、申込者の個別の事情や状況を審査に加味してくれない場合があります。
勤続年数を例に考えてみると、勤続年数が短くなる理由として、自己都合退職だけではなく倒産、介護や子育てに専念するための退職などさまざまです。
しかし、客観的に判断するとなると退職理由は関係ないため、単純に勤続年数が短いとしか評価されません。
対面の申し込みであれば、このような事情も説明することができ、事情を勘案して審査をしてくれることもあります。
そのため、個別の事情や状況を考慮して審査をしてほしい場合は、自動審査を導入していない消費者金融に申し込むか、申し込み後に事情を説明するなどの対策が必要になります。
自動審査に必要な情報とスコアリングへの影響
自動審査はスコアリングによって行われています。
スコアリングとは、申し込み内容を客観的な数値に変換することによって、申込者を点数で評価する審査方式のこと
自動審査を導入している貸金業者は、自動審査に必要な情報を申告させて、その情報を数値化して融資の可否を判断しています。
申し込み内容を客観的に判断できるため、審査結果が早くなる反面、設定されていること以上の判断はできないという問題もあります。
各項目に対する点数配分や審査通過の基準点は貸金業者によって異なり、公表もされていませんが、年収や勤続年数、信用情報などの返済能力に関わる項目など、似通っている部分も多いです。
どのような項目がチェックや評価されているのか解説します。
本人情報(名前・生年月日・既婚か独身か等)
申し込みにあたっては、本人情報として名前や生年月日、婚姻状況などを申告します。
本人情報でスコアリングに影響するのは生年月日と婚姻状況です。
ほとんどの貸金業者は申し込み条件に年齢制限を設けています。
そのため、生年月日がわかれば現時点での年齢がわかるため、まずは申し込み条件を満たしているかが確認されます。
年齢が高くなるにつれて高く評価されるのが基本ですが、年金を受給する60代頃になると収入の減少や健康リスクなどによって評価が下がってきます。(消費者金融で借りられる年齢は?)
婚姻状況は基本的には既婚のほうが高く評価されます。
既婚であっても単身赴任や別居など、家族と離れて生活しているときは低い評価となることもあります。
独身はお金を自由に使える一方で、フットワークが軽いこともあり、低く評価される傾向にあります。
年齢は20歳以上60歳の間で高齢の方が有利
年齢のスコアリングは一般的に次のように評価されます。
年代 | 評価 |
---|---|
18歳以上20歳未満 | とても低い |
20代前半 | 低い |
20代後半~30代 | 高い |
40代~50代 | とても高い |
60代以上 | 低い |
若年層や60代以上の評価が低いのは、勤続年数が短いことやアルバイトなどの就業形態、年金などの収入の低さに由来しています。
これに対して、40代~50代は勤続年数が長いことや昇進などによって収入が高いため、高く評価されることが多いです。
このように、年齢のスコアリングは年収との関連性が高いです。
なお、20歳未満は、民法改正によって申し込み条件内とする貸金業者もありますが、ほとんどは20歳以上となります。(学生がお金を借りる方法 未成年・20歳以上)
独身より既婚の方が信用度が高い
婚姻状況のスコアリングは貸金業者が負うリスクの高さに由来しています。
そのため、独身と既婚であれば、既婚のほうが高く評価されることが多いです。
独身のほうがお金が自由に使えるため、独身のほうが高く評価されると思われがちです。
しかし、独身には行動制限がないことによって、自由に引っ越しや転職などができるため、潜在的な回収不能になるリスクが高いです。
一方、既婚者は家族がいるため一定の行動制限があることによって、住所や職業が変更になる可能性が低く、リスクを抑えることができます。
また、現在は共働きの家庭が多いため、既婚者は世帯収入が多いことも関係しています。
なお、実家暮らしなどの出費がかさまない独身であれば、高く評価されることもあります。
自宅情報(住所・持ち家か賃貸か等)
自宅に関する情報として申告するのは、住所や住居形態、居住年数などがあります。
スコアリングに影響するのは住居形態です。
住居形態は賃貸よりも持ち家が高く評価され、社宅やアパート、公営住宅などの賃貸は家賃が低いほうが好ましいです。
収入に対して家賃が高い場合は、返済原資の確保が危ぶまれる可能性があるため、審査に影響を与えかねません。
なお、居住年数もスコアリングに影響することもあります。
しかし、賃貸から持ち家に引っ越すなど、引っ越すことによって評価が高くなることもあり得るため、そこまで心配する必要はありません。
ただし、住所を転々としている人は、逃げ回っていると判断されることもあるため要注意です。
賃貸より持ち家ローン無しが強い
返済途中に引っ越して回収不能になる可能性があるため、住居形態は定住する可能性が高い順に評価が高くなります。
具体的には次のとおりです。
住居形態 | 評価 |
---|---|
持ち家(ローンなし) | 最も高い |
持ち家(ローンあり) | 高い |
社宅 | 高い |
賃貸 | 普通 |
公営住宅 | 低い |
住宅ローンにしても家賃にしても支払いが多いほど、返済原資が少なくなってしまうため、ローンのない持ち家が一番高く評価されます。
次いで、ローンありの持ち家、社宅となります。
社宅の評価が賃貸より高いのは、賃貸と比べて家賃が少なく、返済原資が多くなりやすいためです。
賃貸や公営住宅が高く評価されない理由は、家賃の支払いがあるだけではなく資産にはならないためです。
持ち家はいざというときは売却して返済に充てることもできますが、賃貸にはそれができません。(家や土地を担保にお金を借りるなら)
勤務先情報(職場の住所・入社日・年収等)
勤務先に関する情報は、返済能力に直結する情報であるため、必ず申告を求められます。
具体的には勤務先の所在地や電話番号、入社日や勤続年数、就業形態、年収などになります。
特に、勤続年数や年収はスコアリングに大きく影響する要素となり、多いに越したことはありません。
就業形態も同様に、安定した収入の根拠となる情報になります。
だからといって、スコアリングで高い評価を受けるために、絶対に虚偽の内容で申告してはいけません。
また、勤務先の所在地や電話番号は在籍確認で必要になります。
誤った情報を申告してしまうと在籍確認がとれずに、本審査を通過することができなくなるおそれがあります。
そのため、自分が所属している部署で申告し、派遣社員の人は派遣元で申告するようにします。
勤続年数が長い方がスコアを稼げる
勤続年数は長ければ長いほど、スコアリングの評価は高くなります。
年功序列制度が色濃く残る日本では、勤続年数が長いほうが収入が高くなる傾向にあるためです。
これにともない、長く勤務している人のほうが離職が少ないため、勤務先が変更になることなく完済まで至る可能性が高いです。
そのため、勤続年数1年未満はスコアリングで低い評価を受けることになります。
しかし、キャリアアップのための転職や、やむを得ない事情によって離職後の再就職などで勤続年数が短い場合もあります。
このようなときは申し込み後に事情を伝えるなど、スコアリングだけで評価されないよう相談することも大切です。
健康保険の種類も見られている
健康保険にはいわゆる社会保険や組合保険、国民健康保険などがあります。
公務員や大企業は組合保険に加入し、一般企業は社会保険、小規模の個人事業は国民健康保険に加入していることが多く、保険証の種類によって勤務先の規模を計ることができます。
勤務先の規模が大きいほど安定した収入となる傾向があるため、スコアリングでは国民健康保険は低く評価されることになります。
なお、社会保険証や組合保険証には、勤務先や資格取得日が記載されているため、在籍確認として保険証の提出を求める貸金業者もあります。
ただし、契約社員から正社員になった場合など、資格取得日と入社日が一致しないこともあるため、申し込み内容と提出書類の不一致とならないよう注意が必要です。
借入情報(他社借入金額・件数)
借入情報も必ず申告を求められる情報になります。
自動審査を通過するために少なく申告しても、本審査で信用情報は詳しく調べられるため、意味を成しません。
そのため、正しい件数と金額を申告するのがベストです。
なお、貸金業者からの借り入れだけではなく、銀行からの借り入れも含めて申告が必要です。
また、信用情報には借り入れ履歴だけではなく、属性情報の履歴も登録されています。
金融事故があると、審査に大きな影響を与えてしまう異動情報も登録されてしまいます。
逆に、ちゃんと返済をしていれば、信用情報はいかに自分が信用に値するかを証明する材料にもなります。
このように、信用情報は自分の評価を左右するものであるため、マイナスな評価とならないように行動することが大切です。
CIC・JICCで異動情報があるのはマイナス
貸金業者が加入するCICやJICCなどの信用情報機関には、一定の条件になると異動情報が登録されます。
自動審査では信用情報を細かく見ていませんが、異動情報の有無は確認されています。
異動情報が登録されるときは次のような場合です。
- 60日を超えて支払いが滞っている
- 債務整理
- 代位弁済
- 貸し倒れ
つまり、その借金が回収不能または回収困難になったことを示すものです。
そのため、異動情報が登録されている申込者には慎重な姿勢をとる貸金業者が多いため、審査には大きなマイナスとなります。
なお、登録された異動情報は債務がなくなっても5年間は登録されたままになるため、登録されないように行動することが重要です。(ブラックでもお金は借りられる?)
借金が無い方が点数が高い
すでに借金がある場合、今回の申し込みによって新たに借金が増えることになるため、借金はないほうが当然評価が高くなります。
しかし、借金していること自体が問題というわけではなく、件数と金額が問題となります。
債務超過に陥る可能性は件数と金額だけでは計れませんが、多ければ多いほど可能性が高くなるのは否めないため、多くなるにつれて評価は低くなります。
ただし、借金がないというのは信用情報がないという意味ではないことに注意が必要です。
借金はあったけれども滞りなく返済して、残高はゼロというのが借金がない状態です。
信用情報がない「ホワイト」「スーパーホワイト」はかえって低い評価となってしまいます。
自動審査・スコアリング審査で判断される結果
自動審査システムは融資の可否以外に次のような結果を出します。
- 融資可能額
- 借金に対する性格
- 借り入れと財産のバランス
自動審査は完全なものではないため、人的審査は必ず行われます。
本審査で自動審査を精査及び補完して、あらためて人間が融資の可否を決定しますが、そのとき、自動審査が導き出した情報は非常に有用です。
自動審査システムが有用な情報を出すことができるのは、ビッグデータとAI技術によるものです。
これまでの顧客との取引情報などのビッグデータをAIに分析させることによって、判断材料になりうる情報となります。
この情報を活用することによって、申込者に適切な融資可能額を決定することができます。
結果として、過剰貸付の防止につながり、貸し倒れのリスクを最小限に抑えることができます。
融資可能額
自動審査では融資の可否だけではなく融資可能額も結果が出ます。
単純に考えると、融資可能額は年収の3分の1から他社の借入残高を差し引いた金額が上限となります。(お金を借りられる限度額はいくらまで?)
自動審査は、申込者の年収や他社の借り入れ及び返済状況などを総合的に判断して融資可能額を決定しています。
いかに年収が多くても他社の借り入れが多かったり、返済に遅れが見られる場合は希望借入金額が総量規制を超えていなくとも、融資可能額は制限されることになります。
なお、融資可能額の決定にはビッグデータも活用されています。
自動審査システムは、貸金業者のこれまでの顧客との取引によってもたらされたデータが蓄積されており、そのデータを分析して判断材料としています。
過去の返済歴の有無からの契約者の性格
自動審査システムは、これまでの顧客との取引データを用いて契約者の性格を分析しています。
わかりやすく言うと、返済履歴から将来的な延滞の可能性を判断しているということです。
例えば、毎月返済期日に約定金を支払う人はお金に真面目な人、約定金は支払っているものの返済期日を数日過ぎて支払う人はお金にルーズな人などと分析できます。
お金にルーズな人は延滞する可能性が高いですが、お金に真面目な人は延滞する可能性は低いです。
延滞する可能性が高い人には高額の融資はできないため、融資可能額を制限するなどの対策が可能になります。
ビックデータをもとに割り出した申込者の想定性格も返すことによって、人間が最終判断を下すときの参考になり、貸し倒れの減少につながります。
借金と財産のバランス・資産状況
債務者が返済途中に倒産や解雇によって失職し、返済困難な状態に陥る可能性はゼロではありません。
このような状況下では、財産や資産がなければ債務整理を検討する人もいます。
しかし、財産や資産を持っていれば収入が不安定になっても、返済を継続することが可能です。
つまり、財産の範囲内で融資を行えば、回収できる可能性は高いということになります。
そのため、審査結果を出すための情報として、申込者の借入状況と財産状況のバランスは必要になります。(総量規制オーバーでも借りれる?)
借入状況や財産状況の分析に役立つのは信用情報や住居形態、貯蓄額などです。
これらのデータを分析して、人間が本審査で最終的な判断を下しやすくするのも、自動審査システムの役割の1つです。
自動審査でよくある質問
クレジットカードの自動審査とは何ですか?
クレジットカードの自動審査とは、コンピュータによって行われる仮審査や事前審査のことを指します。
コンピュータが判断するため、申込者を客観的に審査することができ、公平な審査結果となります。
しかし、プログラムされた以上のことができないため、申込者の状況に応じた審査をすることができないという弱点があります。
これを防ぐために自動審査で最終的な判断はせず、人間が本審査を行うようにしています。
自動審査はどうして早く判断できるのですか?
自動審査が短時間で審査結果を出すことができる理由は2つあります。
- 申し込み内容の事前チェック
- スコアリング方式による審査
申し込みの時点で、申し込み内容の送信前に、システムが申し込みの不備をチェックすることによって、申し込み後の確認作業を減らしています。
申し込み後は、申し込み内容をインプットされている基準に基づいて数値化し、基準点の到達をもって審査通過とするスコアリング方式を採用しています。
クレジットカードは機械だけで審査が行われますか?
クレジットカードの審査はコンピュータによる自動審査が主流です。
しかし、自動審査が技術革新によって精度が向上しているとはいえ、まだ完全なものではないため、個別の事情などのイレギュラーに対応することができません。
そのため、自動審査は仮審査の位置づけに過ぎず、あくまでも申込者をふるいにかけるものです。
自動審査後に人間が本審査を行って、必要書類の確認などの精査や在籍確認などの補完作業を経て、最終判断をしています。
自動審査はどういう仕組みになっていますか?
自動審査はスコアリングによって、融資の可否を判断する仕組みになっています。
年収や勤続年数、年齢などの審査項目にあらかじめ点数を設定しておき、申し込み内容を数値化して合格点を超えた場合は審査通過、超えなかった場合は審査落ちとしています。
審査項目や点数配分、合格基準点は貸金業者によって異なるため、審査が通るときもあれば通らないときもあるのはこのためです。
自動審査のスコアを稼ぐにはどうすればいいですか?
自動審査のスコアを稼ぐためには審査基準を把握する必要があります。
しかし、審査基準は公表されていないため、申し込み内容から推測するしかありません。
スコアは信用度を数値化したものであるため、信用度の高い状態にすることでスコアを稼ぐことができます。
具体的には年収や勤続年数、居住年数の増加や中高年になってから申し込みなどが該当します。
すぐにスコアを稼ぐことができないときは、信用情報にキズをつけないような取引を継続することで、スコアの低下を防ぐことにつながります。
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この記事の監修者 | 山口みき |
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自己紹介 | 金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。 |
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