勤務している会社での転勤や進学、入学などのために現在住んでいる場所からの引っ越しを検討される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
引越の際に頭が痛いのが多額の費用ですね。
住まいを転居する際には、引っ越し先の新しい住まいを借りるための保証金や敷金・礼金、これまでの住まいの原状回復費用や引っ越しまでの家賃など実際の引っ越し費用以外にも様々な経費が発生してしまいます。
会社での転勤であれば引っ越し費用などの一部負担があるかもしれませんが、それでも出費はバカになりません。
いざ転居がきまったものの、引っ越しのための費用が捻出できないなどの悩みを抱える方も少なくはないでしょう。
今回の記事では、そもそも引っ越しにはどのくらいのお金が必要なのか、また、その費用の捻出方法やできるだけ費用を低くおさえるための方策などを詳しく解説します。
- 引っ越し初期費用には新居の契約費用、運送費用、退去に必要な費用などがある
- 賃貸の初期費用支払い期日は原則的に契約時に一括払い
- 初期費用を抑えるためには運送費用や仲介手数料の比較検討が有効
- 物件の検索・選択方法によって初期費用は抑えられる
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引っ越しに必要な初期費用とは?
会社の異動などで転勤が決まった際には、これまでの住まいから新たな赴任先の住まいに引っ越しをしなければなりません。
実際に転居する際には以下のような費用が発生します。
- 現在の住まいから退去するための費用
- 引っ越しの際の運送費
- 新居を用意するための費用
現在の住まいを退去する際には、長年暮らしている中で発生した汚れや傷などを元に戻すための原状回復費用、引っ越し日までの家賃などが含まれます。
また。引っ越しの運送費は荷物の量や引っ越し先までの距離、実際に引っ越しをする時期などによって大きく変動します。
そして、重要なのが新居を借りるための必要経費です。保証金や敷金・礼金などがありますが、これは引っ越す地方によって違いがあります。
最後に新居でそろえる家財道具、すべての家財を旧居から持っていくのであれば費用は発生しませんが、やはり家具や家電製品などをある程度買い換えるのではないでしょうか。
賃貸の退去費用(原状回復費など)
現在居住している賃貸住宅を退去する際にかかる費用が原状回復費です。
原状回復費とは、退去する際に借主側に原因があり修繕、補償をしなければならない費用です。汚れや傷などは過失や故意に関わらず借主が弁済しなければなりません。
現状回復のために負担しなければならない範囲は、国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて定められます。退去費用が怖くて引っ越せないという事態にならないためにも確認しておくべきです。
原状回復は、毀損部分の復旧であることから、可能な限り毀損部分に限定し、毀損部分の補修工事が可能な最低限度を施工単位とすることを基本とする。したがって、賃借人に原状回復義務がある場合の費用負担についても、補修工事が最低限可能な施工単位に基づく補修費用相当分が負担対象範囲の基本となる。
つまり、借主が居住している間に発生した汚損・破損などをもとに戻す費用です。もう少しわかりやすく実例を挙げてみましょう。
- 故意や過失による内装の汚損
- ペットによる臭い残りや汚損
- 釘穴やネジ穴
- 子供の落書きやタバコのヤニなどの汚れ
- 結露によるカビや風呂やトイレのカビや水垢の除去
- 付着したキッチンの油汚れやスス汚れ
- 壁の腐食やサッシ、扉の劣化 など
最近では、契約の際に紛失などに関わらず鍵の交換費用が退去費用に含まれている場合もあります。
ただし、多くの場合は預け入れをしている保証金や敷金からの相殺で賄える範囲です。多額の費用を請求される場合には、回復費用の内容をしっかりと検証する必要があります。
引っ越し費用・荷物の運送費
転居の際に最も考慮しなければならない費用のひとつが、実際の家財道具などの運送費用です。運総費用は、次の要件で大きく変動します。
- 引っ越しをおこなう時期
- 家財道具の量
- 運送する距離
日本の企業の多くは3月から4月にかけて人事の改変期をむかえます。そのため転勤を含む人事異動は3月から4月の期間に集中します。また、大学生などの入学先への引っ越しも3月から4月に集中します。
そのため引っ越し費用は、
- 繁忙期間:3月から4月
- 一般期間:5月から1月
の2つの期間で大きく違ってきます。
また、引っ越しを平日におこなうのか、あるいは土日祝日に行うのかによっても費用に違いが生じます。
家財道具は転居する世帯の家族人数によって変動します。一人暮らしであれば家財道具は少なく、あるいは引っ越し業者を依頼しなくても運送可能かもしれません。しかし、複数人数の世帯では家族人数に応じて家財道具も増えるのでその分費用も膨らみます。
そして運送費で考慮しなければならないのが、実際の輸送距離です。隣町への引っ越しと、東京から北海道への引っ越しでは当然費用は大きく違ってきます。
転居先の賃貸契約時の初期費用
※関東と関西についてまとめてみました。※ただし最近では敷金・礼金なしの物件もあり
敷金(関東) 保証金(関西) |
修繕費用・家賃滞納時などの預け金、退去時に返却の可能性あり |
---|---|
礼金(関東) 敷引き(関西) |
大家への謝礼金、退去時の返却なし |
前家賃 | 入居時に入居月の日割り計算分に加え、翌月分も支払う |
仲介手数料 | 不動産会社への支払い、ただし不動産会社によっては無料もあり、また大家さんとの直接契約の場合は不要 |
その他 | 物件により2年契約を基本とした火災保険料や、新しい鍵の交換費用、インターネット回線の工事費用、連帯保証人の代理となる保証会社の利用料など |
敷金の語源は江戸時代の嫁入りの際の持参金を意味していました。物件契約の際に家主に預けるお金で、退去する際にその中から原状回復費用などを相殺します。
最近では敷金0円物件などもあり、入居の際の費用はおさえられます。ただし、退去の際には原状回復費用は支払わなければならないのでどちらにメリットがあるかは考え方次第です。
礼金とは契約の際に家主にお礼として渡す費用、つまり返ってこない費用です。家主はこの費用を活用して不動産会社や仲介業者に入居者募集や広告出稿を依頼しています。
関西や中国・九州地方では敷金・礼金という設定はありません。
敷金が保証金、礼金が敷引きとなりますが、ほぼ同じ位置付けと考えて問題はありません。
その他にも火災保険加入費用やインターネット回線使用料、玄関鍵の交換費用など、それぞれの物件によって設定されている費用は少なくありません。
物件を紹介される際には重要事項として必ず説明されますので、後で予定外に出費が増えたなどの行き違いがないようにきちんと把握する必要があります。
家財・物品購入費
いざ、転居先で新生活を!と考えた際には、新居の家具や家電などの家財道具や食器などをはじめとした生活用品も一新したいと考えるかたも多いのではないでしょうか。
【新居に引っ越す際に揃えたい家財道具】
家電品 | エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫など |
---|---|
家具類 | ベッド、タンス、ワードローブ、絨毯、カーテン、テーブル、ソファーなど |
日用品 | 食器、キッチン用品、バス用品、洗濯用品、掃除用品など |
ただし、当然ですがこれらの家財道具は新規に揃えればそれだけ費用はかかります。
実家を出て新生活を始める場合には一式購入する必要がありますが、とりあえず使える家具・家財道具はそのまま新居に持っていくというのも検討したほうが引っ越し費用をできるだけ抑えるポイントになるのではないでしょうか。(引っ越し費用を借りるなら)
使えるものはなるべく持っていくほうが転居の総費用は抑えられます
引っ越し初期費用が払えない場合の対処方法
引っ越す際に必要な主な費用は以下のとおりです。
- 退去のための費用
- 新居を借りる初期費用
- 運送費用
- 家具、家財道具をそろえる費用
それぞれ必要経費なのですが、すべてを支払うと100万円を超えるような出費になる場合もあります。しかし、転勤などで引っ越しをどうしてもしなければならない場合には捻出しなければなりません。
そのためには次のような方法が考えられます。
- 親や親族、親しい友人などから一時的に費用を借りる
- クレジットカード払いを活用する
- 不動産仲介業者や引っ越し業者に分割払いなどを相談する
- 自治体の補助金などが利用できないか確認する
- 不用品を販売して費用を捻出する
- カードローンなどでお金を借りる
親族や友達から借りて初期費用を支払う
引越の際の費用が捻出できない時には、親や兄弟、親しい友人知人などに相談して一時的に最低限のお金を借りて支払うのが一番現実的で無難な方法です。(お金を借りる時の言い訳)
ショッピングやギャンブルなどで発生した借金とは違い、転勤などに伴う引っ越しの必要経費なので、正直に状況を説明すれば借り入れをお願いしやすいのではないでしょうか。
ただし、借りる費用は新居の契約に関連する費用や運総費用などのどうしても必要な最低限の費用に抑えましょう。
また、新居を契約する場合には多くの場合保証人の署名押印も求められるので、合わせてお願いすることをおすすめします。
そして、引っ越しが済んで落ち着いたら必ず返済することをお忘れなく。
クレジットカード対応可能の場合は分割払いする
引っ越しの際の必要経費をクレジットカードで支払い、返済を分割払いやリボ払いに設定すれば当面の出費を先送りすることが可能です。
利用金額をあらかじめ支払い回数を設定して支払う方法。一般的なクレジットカードでは2回分割までは手数料は無料、3回目以降は手数料が発生します。
利用金額に関わらず毎月一定の金額を支払う方法。月々の支払額を少額に抑えられる代わりに金利負担が発生します。返済が長期間になる傾向が強い。
以前は住居の契約に関連する費用や引っ越しの運送費用などは現金払いが原則でした。しかし、最近ではクレジットカード払いを受け付けている業者も増加しています。
自分自身の手持ち資金と相談しながら分割払いやリボ払いを検討するのも、当面の資金を捻出する方法のひとつです。
デビットカードで分割払いはできない
クレジットカードの利用は当面の費用捻出には有効な方法ですが、手持ちのカードがデビットカードの場合は分割払いやリボ払いは使用できません。
デビットカードとは・・・
利用した金額が即座に紐づけられた銀行口座から引き落とされる設定のクレジットカード。
デビットカードとクレジットカードの特徴の違いは以下のとおりです。
デビットカード | クレジットカード | |
---|---|---|
支払い方法 | 即時銀行口座から引き落とし | 毎月指定日に引き落とし(後払い) |
支払い回数 | 1回払いのみ | 分割払い・リボ払いが可能 |
利用限度額 | 銀行口座の残高内 | 審査により設定された限度額まで |
デビットカードでの支払いは実質的に現金払いと同様です。ただし、現金を持ち歩かずに済む、カードのポイントがもらえるなどのメリットがあります。
不動産会社や引っ越し業者に後払い・分割払いができないか相談する
引っ越し費用の中でも、新居の契約のために不動産会社に払い込む費用と、実際の移動に関わる運送費用はどうしても用意しなければ転居は実現しません。
しかし、引っ越しに関する総費用の中でもっとも大きな金額となるのが、この2つの支払いです。
手持ち資金に不安がある場合には、契約する不動産会社、また、引っ越しを委託する運送業者などに後払いや分割払いを正直に相談しても良いかもしれません。
すべての金額を後払いにするのは難しいかもしれませんが、費用の一部を後払いにする、あるいは返済計画表をきちんと作成した上で分割払いをお願いすれば意外と相談には乗ってくれるものです。
国や市役所の公的機関の補助金制度がないか確認する
引っ越し費用がたりないが親や家族には借りることができないし、そのための借金には抵抗があるという方は、政府や地方自治体が提供している助成金・補助金制度に利用可能なものがないか確認をしてください。(市役所でお金を借りる方法)
引っ越し費用を助けてくれる主な補助金・助成金をあげてみました。
29歳以下の新婚夫婦を対象に最大60万円、39歳以下であれば300,000円を給付。
夫婦の所得の合計が4,000,000円未満で、該当する自治体の要件を満たす必要があります。
離職や勤務先の廃業などで引っ越しを余儀なくされた場合に引っ越し費用や新居を準備するための費用が補助されます。
補助金は最大家賃相当額が9ヶ月間対象です。
参考:住居確保給付金|厚生労働省
その他にも、県や市区などによって独自に助成金や補助金が用意されています。
やむを得ず引っ越しをしなければならない場合に費用不足で悩んだ場合には、迷わず自治体に相談してみましょう。
不用品をフリマアプリやオークションサイトで売る
引っ越しの際に家具や家財道具の買い替えを検討しているのであれば、古い家具・家電、生活用品などの売却という費用捻出方法も考えられます。
不要になったものを単に廃棄する場合には粗大ゴミとなって費用が発生してしまいます。
しかしフリマサイトやオークションサイトを活用して売却をすれば、少なからず費用を稼ぐことができるかもしれません。
【主なフリマサイト】
- メルカリ
- ラクマ
- PayPayフリマ
- Karrot
など
【主なオークションサイト】
- ヤフオク
- モバオク
- ブランディアオークション
など
これまでは不要品の売却には質屋や買取業者に持ち込まなければなりませんでした。しかし、最近ではインターネット上で手軽にしかも個人間での売買が可能になりました。
売却をすれば廃棄費用がなくなり、プラスのお金が生まれます
日払いバイトや副業をしてお金を稼ぐ
引っ越しまである程度の期間があり資金を計画的に準備できるのであれば、現在の仕事とはほかに、日払いバイトなどの副業で費用を貯めるのはいかがでしょうか。
フルタイムで会社勤務をしながら可能な副業は、以下のような種類があげられます。
軽作業や交通整理、警備、試験監督など登録することにより1日限りでできるアルバイト。派遣会社などに登録すれば簡単
インターネット上でライティングや資料作成、プログラミングなどの作業請負。クラウドワークスやランサーズなどの大手ポータルから受注可能
自分自身が運営するブログなどで商品やサービスを紹介して広告収入を獲得
半年後あるいは1年後には希望の物件に転居しよう、などの計画を立てて副業にあたれば、引っ越し費用の捻出は可能ではないでしょうか。
カードローンを利用して一時的に借りて立て替える
どうしても引っ越し費用が不足して、あらゆる方法を検討した結果調達が難しい場合は、カードローンの一時的な利用による立て替えも考えられます。
カードローンとは・・・
銀行やクレジットカード会社、消費者金融が提供する個人向け少額融資、ローン専用カードを作成してATMなどで借入金を引き出せることから一般的にカードローンと呼ばれる。
カードローンは定期的な収入があり、過去ローンの支払い延滞などの金融事故の実績が無ければ成人であれば比較的簡単に利用できます。
また、カードローンでは一定期間の無金利サービスなどの初回利用者を優遇する特典が用意されているので一時的な立て替えに利用するのであればおすすめです。
主なカードローンとサービスは以下のとおりです。
引っ越し初期費用の相場
一般的に引っ越しには転居先の家賃の10倍くらいの費用がかかるなどといわれる場合もありますが、少し漠然としています。
引っ越しの中でも最も基本的な新居を契約する際の初期費用に的を絞ってご説明すると、以下の点で違いが出ます。
- 転居する地域:関西もしくは関東での違い
- 入居する人数:物件の大きさの違い
転居する地域が関東であれば初期費用には敷金・礼金が一般的に発生しますが、関西では保証金の払い込みになります。
また、一人世帯の場合はワンルームや1DKなどのコンパクトな間取りが一般的です。
最近では敷金・礼金や保証金が不要な物件もありますが、今回は一般的な相場で初期費用が発生する物件、また一人世帯で賃が8万円程度の物件を想定して、それぞれの引っ越し費用の相場を確認してみましょう。
賃貸へ入居時の初期費用相場
関東 | 関西 | |
---|---|---|
敷金(保証金) | 家賃の1~2ヶ月分 | 家賃の4~7ヶ月分 |
礼金(敷引き) | 家賃の0~2ヶ月分 | 家賃の2~4ヶ月分 |
前家賃 | 家賃の1ヶ月分(入居月の翌月分) | |
日割り家賃 | 入居月の日割り計算分の家賃 | |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分+消費税 | |
保証会社利用料 | 初回利用は家賃の0.5~1ヶ月分、更新料としてその1年後に1万円前後が請求されるケースが多々 | |
火災保険料 | 1万5,000~2万円 | |
鍵を新しくする費用 | 1万~2万円前後(鍵のタイプによる) |
関東では敷金・礼金が発生しますが、関西では保証金と敷引きという費用項目になります。
相場を比較すると、関西の方が新居を借りる際に払い込む金額は大きいようですが、その分、退去する際の費用負担は軽減されるメリットがあります。
また入居時には当月と翌月分の家賃を一括して支払う場合が多く、当月の家賃は日割り計算をしてくれる場合と日数に関わらず1ヶ月分が徴収される場合に分かれます。
火災保険料は、以前は任意あるいは個人で加入すればOKの場合がありましたが、現在ではほとんどの物件で仲介業者指定の火災保険への加入を義務付けられます。
そのほかにもインターネット回線の使用料、ケーブルTVの使用料など、物件特有の費用が発生する場合があるので、契約の前にできる限り書面で確認する必要があります。
一人暮らしで引っ越し初期費用の相場は30万~50万円
一人暮らし、家賃8万円、東京都内での引っ越しで入居月の15日に入居の場合 | |
---|---|
敷金(家賃2ヶ月分) | 16万円 |
礼金(家賃1ヶ月分) | 8万円 |
前家賃(翌月分) | 8万円 |
日割り家賃(15日入居、16日分) | 4万1,280円 |
仲介手数料 | 8万円 |
火災保険料・鍵交換料 | 3万円 |
引っ越し代金(近距離の場合) | 約3万円 |
クリーニング費 | 約2万円 |
引っ越し初期費用合計 | 52万1,280円 |
上記は東京都内で家賃8万円の物件を想定した試算です。敷金は家賃の2ヶ月分で計算していますが、現在では1ヶ月の物件が多くなっているかもしれません。
仲介手数料は不動産物件を仲介した不動産業者の利益となるお金です。不動産会社によって1ヶ月、あるいは0.5ヶ月などの違いがあります。同じ物件でも取扱業者によって手数料に違いがあるので比較検討しても良いかもしれません。
実際の引っ越しを近郊からの短い距離での移動を想定しているので、3万円程度に抑えられています。
上記のような比較的手軽な引っ越しを前提として試算しても合計金額は50万円を超えています。引っ越し先が遠方で、しかも複数人数の世帯では倍以上の費用が発生することになるでしょう。
引っ越し初期費用を安く抑える方法とは?
引っ越しをするためには、思った以上にお金を用意しなければならないのがわかりました。
しかし、単身世帯で50万円、家族世帯では100万円以上が想定される引っ越し費用を捻出するのはとても大変なことです。
どうしても転居しなければならないとしても、その費用ができるだけ抑えられるように、次のような様々な方法を検討する必要があります。
- 不動産会社に必要な費用の低減を交渉する
- 敷金・礼金などの初期費用が安い物件を探す
- 仲介手数料がかからない仲介業者を探す
- クレジットカードの利用や分割払いの利用ができる業者を探す
- フリーレントの活用
- 引っ越し業者のコストをできるだけ抑える工夫をする
- 閑散期を狙って引っ越しをする
- 保証会社が不要な物件を検索する
賃貸の初期費用が安くならないか交渉する
これまでご説明したとおり、転居先の物件を契約する際には以下のような費用が発生します。
礼金 | 礼金とは、住宅不足であった昔の名残であり、近年では礼金を取らない大家さんが増えています。お礼金ということで、物件手続きや管理にも無関係のお金ということが事実ですから、交渉次第で大きく変化するかもしれません。 |
---|---|
仲介手数料 | 家賃の1ヶ月分が相場となっている仲介手数料ですが、最近では仲介手数料無料としているところも多くあります。既述通りそういった仲介会社を探すか、減額の可能性を考え、交渉してみましょう。 |
前家賃 | 入居月の翌月分となる前家賃は、支払う必要があるお金ですが、交渉次第によって安くなるケースもあります。初期費用の負担が大きすぎるということを正直に伝えれば、相談にのってくれる場合も。もちろん、管理会社や大家さん次第ですが、交渉をしないままでは何も変化はありませんから、試してみる価値ありです。 |
その他、室内消毒費など | 火災保険料や保証会社への利用料などは、減額されることはありません。ですがその他の項目では、室内消毒費用や防災キット費用など、法律上必須とされていないものも含まれていることが多々。もしかしたらと思う項目については、確認・交渉をしてみましょう。場合により項目を外してもらえる可能性大です。 |
上記の費用は大きく分けて3つに分類できます。
- 返ってこない費用:礼金(関西では敷引き)
- 返ってくる費用:敷金(関西では保証金)
- 家賃:当月および翌月の家賃
まずは、返ってこないお金礼金(敷引き)の低減を交渉しましょう。人気エリアの物件ではなかなか応じてくれませんが、家主が個人の場合や空室の期間が長かった場合などは交渉の余地は十分にあります。
敷金はいずれ戻ってくるお金ですが、多くの場合は退去の際の現状回復費用で相殺されます。そのため、退去の際に別途負担することを確約すれば入居時の敷金(保証金)も交渉可能です。
家賃に関しては当月、翌月共にいずれ発生する費用なので可能であれば交渉せずに支払った方がよいかもしれません。ただし、当月家賃は少なくとも日割りにしてもらいましょう。
敷金・礼金等の初期費用なし or 安い賃貸を探す
敷金や礼金などの初期費用の設定には決め事はありません。所有している家主の判断で決められています。そしてその金額はエリアの人気や築年数などの条件によって大きく違いがあります。
たとえば、駅から徒歩で少し遠い、築年数が長いなどの条件次第では敷金や礼金が少ないあるいは0円の物件や、家賃が低くおさえられている物件を見つけることも可能です。
せっかく引っ越すので便利で快適な物件を借りたい気持ちになりますが、条件と費用は必ずリンクしているので粘り強く検索をすれば費用が安い物件を発見することも可能です。
同じ物件でも不動産業者によって条件が違う場合があります
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仲介手数料とは、物件を契約する際に貸主と借主の間で条件の調整や書類作成、物件の案内などをおこなう不動産仲介業者の収入となる手数料です。
一般的には家賃の1ヶ月分を設定する仲介業者が多いようですが、なかには0.5ヶ月や手数料不要の仲介業者も存在します。
現在ではインターネットで簡単に検索できるので探してみてはいかがでしょうか。
「初期費用クレジットカード決済可」「分割払い可」の不動産会社・引っ越し業者を探す
引っ越し費用を捻出する際に、クレジットカードによる決済や分割払いなどの条件を受け入れてもらえるのは当面のやり繰りを考えると大変ありがたい条件です。
現在では大手の引っ越し業者や不動産業者ではクレジットカード決済の導入は進んでいるようです。
【クレジットカードが使用できる主な引っ越し業者】
- アート引越センター
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越社
- ヤマトホームコンビニエンス
など
フリーレント物件を選んで初期費用を節約
フリーレントとは、入居後一定期間家賃が無料になるサービスです。
転居を据える場合には、転居先の準備などがあるので数週間から1ヶ月程度実際の入居日よりも早い時期で契約を結びます。
そのため、現際の住居と転居先でどうしても家賃が2重に発生する期間が生じてしまいます。
フリーレントを活用することで、この2重家賃を回避することができるので、費用の節約に直結します。
また、フリーレントを利用できれば引っ越しの日付も余裕をもって設定できるので、、費用が安く設定されている日付で運送をたのむなどの余裕を持った設定が可能になります。
またフリーレントが適用されている物件では前家賃の払い込みも不要になるので、引っ越し費用の低減には大きな効果があるといえるでしょう。
引っ越し業者の合い見積もりや自分で荷物を運んでコストを抑える
引っ越し作業は以前では運送会社が引く受ける場合が多かったのですが、現在では引っ越し専業の会社が全国で100社以上あるといわれています。
引っ越し業者を分類すると以下のようになります。
- 引っ越しも対応する大手運送会社:日通、ヤマト運輸など
- 引っ越し専業会社:アート引越センター、引っ越しのサカイなど
- 引っ越しも引き受ける貨物軽自動車運送会社:赤帽など
それぞれの会社に特徴があり、引っ越し費用に関してもそれぞれの会社が独自に料金体系を作成しています。
そのため引っ越し費用を少しでも安くすませるためには、複数の引っ越し業者に見積もりを依頼して、料金とサービス内容をしっかりと吟味して委託先を決定することが重要です。
インターネット上に引っ越し見積もりの一括比較サイトがあるので活用してはいかがでしょうか。
【主な引っ越し見積もり比較サイト】
- SUUMO引越し見積もり
- 引越し侍
- ズバット引越し比較
- LIFULL引越し
- 引越し達人
引っ越しの繁盛期を避け閑散期に引っ越すと安い
引っ越し費用は実際に運送を依頼する時期よって金額が大きく左右されます。
新入学や会社の転勤移動が集中する3月、4月は運送会社に引っ越しの依頼も当然多くなります。早くから予約しなければ断られるほどの忙しさになっています。
そのため3月4月は他の月と比較しても費用がかなり割高になることを覚悟しなければなりません。
引っ越し費用をできるだけ抑えるのであれば3月、4月を避けて、しかも平日に手配するのが賢い選択です。
保証会社不要の物件を探す
保証会社とは家賃の滞納などが発生した場合に、入居者にかわって弁済する会社です。
保証会社では保証料を徴収する代わりに下記の項目の保証を提供します。
- 滞納した家賃、管理費など
(家賃滞納中だと引っ越しもできない?) - 支払わなかった更新料や原状回復費用など
- 契約にたいする違約金や損害金など
保証会社との契約期間は原則として物件の契約期間と同じ、家賃の1ヶ月分を払い込む場合が多いようです。また、物件の契約を更新する際には同時に保証会社の更新料も必要になります。
保証会社のメリットは借主よりも貸主・不動産会社にあります。できれば払わずに済ませたい費用ですが、現在では保証会社の利用を義務付ける物件が増加しています。
保証会社に支払う保証料金も引っ越しの際の初期費用として必要になるので、保証会社不要物件を見つければその分費用も軽減できます。
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この記事の監修者 | 山口みき |
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自己紹介 | 金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。 |
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